昨日、ある宇宙論を扱った動画を観ていて、あらためて
「アタマの仕事は空想することなんだなぁ」と思った。
「星の赤方偏移が観測されることから逆算すると、宇宙は
ある一点から始まった」ということで、“ビッグバン宇宙
論”までは合理性のゲームで面白いのだが、「この宇宙がで
きる前」とか「この宇宙が終わった後」とかの話をされると
アホらしくなる。この宇宙の前や後に、この宇宙の法則が適
用できる保証はないのだから、そこは語らないのが賢明だろ
う。
科学者がただの空想を語るのだから世も末だと以前から
思っている。せめて科学者には合理的な空想を語ってもらい
たい。科学者には、職業倫理上その責任があるはずだ。五次
元とか七次元とか仲間内でただの空想世界をでっち上げて仕
事に仕立て上げるのなら、それはもうエンタメだ。科学の看
板を降ろすがいい。「超能力は存在するか?」などと具体的
に観測して確かめようとしたりする方がずっとマシだ。
アタマ(大脳皮質)は空想するのが仕事だ。仕事というよ
り、ほとんど空想するしか機能がないと言っていい。 それが
アタマの現実だ。
空想し、空想を社会的に承認させ、実体化させようとする
のがアタマの仕事で、それが人が生き延びる上で実用性が有
り、楽しみをもたらすものならそれでもいいが、仲間内の馴
れ合いならこっそりやってくれと思う。ましてや大きな商売
に仕立て上げて社会を巻き込むのは大迷惑だ。
宗教・イデオロギー・テクノロジー・・・、そういう空想
世界を大掛かりでやるのはアタマの暴走でしかない。空想が
大規模に実体化されたら現実世界で問題を起こすのは避けら
れない。
わたしたちのアタマは空想する。「空」の中に「想」を生
成する。要するに「お話」をでっちあげる。宇宙の外まで
「お話」で埋めようとする。「たいがいにしろよ」と思う。
「自分の仕事を作り出そう」
「金を儲けよう」
現代はそういう動機で(無意識であっても)、社会の中で
空想を実体化させようとする輩が多過ぎる。そんな「仕事」
や「金」というものも、そもそも空想なのだと認識していな
いので始末が悪い。まわりが迷惑する。
総理大臣が代わり、日本の経済を良くして国民の暮らしを
良くしようと言う。それはそれで良い。この世界は経済とい
う空想の中で動いているし、その動きが滞れば生きるのが大
変になる人が沢山いるのだから。けれども、生きるのが大変
な人が大勢いるのは、世界が経済的上位数%とかいう人間た
ちの空想に引っ掻き回されているせいなのだという認識は
持っているべきだろう。
痛快なアクション映画や美しいファンタジー映画のような
空想を見せてくれと言おう。なにもかも商売にするのは、空
想への冒涜だ。アタマが悪いにもほどがある。
そして「想」を生成する前に、そこには「空」があること
を忘れてはいけない。
0 件のコメント:
コメントを投稿