コーヒーを飲んでいました。
外が見える席で、通路を行き交う人達を眺めていたんです
が、ふと歩き方が気になりだしたんです。「みんな、歩く事
がお留守だなぁ」と。
私は昔から、歩き方を見ただけで、その人の性格が判るん
ですが(判るつもりですが)、昨日感じた「お留守だなぁ」
というのは、「気持ちが、ここではない何処かへ行った状態
で歩いてる」ということでした。
それで、「自然体で歩いてる人は居ないのかなぁ」と通り
過ぎる人を観察したんです。
三百人ほど観察してたと思いますが、その中で自然体で歩
いてると感じたのは、たった四人でした。
一人は、杖を突いた八十歳ぐらいのおばあさんで、あとの
三人は妊婦さんでした。それ以外の人は、これから行く所や
周りの店の商品のことに気がいっているか、なんだかんだと
考え事をしていて、今ここを歩いている自分を意識していな
いので、前のめりに歩いていたり、足取りが重かったり、左
右に重心が振れたり、お尻が引けていたりしている。別に、
歩き方が綺麗かどうかという事じゃなくて、「ちゃんと歩け
ているか」ということなんですけど、みんなだめでしたね。
そのなかで、杖を突いたおばあさんと妊婦さんだけが自然
に歩いていたのを見て、「ははぁ~ん」と思いました。四人
とも、歩くのに真剣だったわけです。
おばあさんは足元が覚束ないので真剣なわけです。
妊婦さんは、お腹の重さとバランスを取る為におのずと背
筋が伸びていますし(後ろに反り気味ではありますが)、
「お腹の中には子供がいる」という意識が常にあるでしょう
から、慎重に歩くのでしょう。(単純に「重い」ということ
もあるでしょうね)
「それが、何だ?」と思うでしょうが、私は、いかにみん
なが目的思考で、今をやり過ごしながら生きているかを、目
の当たりにしたと思ったのです。
杖を突いたお年寄りは他にも何人か見かけましたが、あと
の人は自然な歩きではありませんでした。ところが、妊婦さ
んは三人だけ。つまり全員が自然体だったんです。
これは、とても面白い事でした。
“子供”という自然をお腹に宿した女性が、自然体の歩きに
なっている。
わたしたちは何時も、アタマという“人為”に誘導されて動
いています。しかし、妊婦はアタマよりも、お腹の中の子供
を意識的にも無意識的にも優先しているのでしょう。だから
歩き方も、一歩々々今の状況にちゃんと対応するような歩き
方になるのに違いない。
私は、「けっこう。けっこう!」と独り言を言ってしまい
ましたね。妊娠・出産には、自分の身体を深く意識させる効
用があるのだと。
大病や大けがをすると、誰でも自分の身体を意識します
が、そこに喜びはないですからね。でも、妊娠は喜びと共に
ありますから
思いますね。
「それはともかく、“自然な歩き方”ってなんだ?」
という疑問があると思うんですが、どうにも答えようがあり
ません。
雰囲気で言っているだけなんです。
私の感覚からすると「自然だ」ということで、他の人に伝
えようがない。
しいて言えば、「全体のバランスが取れて、むだな力が抜
けている」ということでしょうか。「動いているけれど、落
ち着きがある」感じ。「落ち着きがある」と言っても、単に
遅いだけじゃない。そんな風なことです。(わからないでし
ょ♡)
と、ここまで書いてきて自分で気が付いたのは、「要する
にみんな歩き方のバランスが良くないということか?」って
こと。
先に、「歩き方で性格が判る」と書きましたが、歩き方に
はその人の精神状態・主義主張・価値観が如実に表れますか
ら、「歩き方のバランスが良くない」ということは、精神的
なバランスも良くないということです。
「気持ちが前のめり」(身体も前のめり)、「気おくれし
ている」(腰が引けてる)、「何か疑問を抱えたまま」(無
意識に首をかしげているので、右か左に重心が偏る)、「手
を振り過ぎ」「片手だけ振りが大きい」(無理をしている)
ちょっと大雑把に言葉にしてみましたが、そんな感じで精神
状態が偏ると歩き方も偏りますし、力感も違います。
しっかり、落ち着いて歩くと、精神的にもしっかり、落ち
着いてきます。なので、このブログには珍しく、実践的な話
をしましょうか。
“しっかり、落ち着いて、美しく歩く方法”を伝授いたしま
す。
チョー簡単です。
1.「ブラジャー」の真ん中(みぞおちの上)を親指と人差し
指でつまんで、3センチ程上に引き上げます。ひどい猫背
の方は、背筋が伸びるまで引き上げて下さい。
2.その姿勢をキープしながら歩く。
それだけです。足の運び方なんかは気にする必要ありませ
ん。自然に足の運びも綺麗になります。(モデル歩きの様
な、作為的な歩き方にはなりません)ただ、慣れるまで結構
キツイですよ。
て下さい。(実際に付けても構いません)
私のレクチャーはどうでもいいですが、わたしたちはしっ
かり歩きたいもんです。「アタマ主導」では無く、「身体の
声」を聴きながら。
病気だって、その多くはアタマの誘導で生まれます。「も
っと食べたい」「もっと飲みたい」とか「酷く疲れているけ
ど、仕事を休むわけにはいかない」とか「(何かが)心配で
食事も喉を通らない」なんて、みんなアタマに引っ張られて
いるんですから、もっと「身体の声」を聴くべきなんだと思
いますよ。(ガンになるのだって、「アタマ」の影響がかな
り大きいと私は考えています。医学的な根拠はありません
が・・)
あらためて書いておきます。
《 アタマが悪さをすることを
「アタマが悪い」と言うのです 》
自分がムチャな事をして、風邪を引いたり、ケガをしたり
しても、身体は文句も言わずに治そうとしてくれます。
現代人は特に、身体を無視し過ぎです。
“人の目”より“自分の身”を気にしましょうよ。
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