いまに始まったことでもないけど、「孤独は心とからだの
健康に悪い」というような話を、メディアがよく流します
ね。あれ、私は信用していない。なにせ私は『「淋しい」が
分からない』(2018/1)という人間ですからね。人がひと
りでいることはごく普通のことと考えていて、それが人に悪
い影響を及ぼすなんて思えない。「孤独=いけないこと」と
いうのは洗脳ですよ。
社会というものは複数の人間がいないと成立しないものだ
から、「ひとりがイイ」という人間は社会にとって役立たず
な上に目障りです。なので、社会は「ひとりでいる」ことに
「孤独」というネガティブなイメージを持たせることで、一
人でいる人に「自分は間違っているのだろうか?」と思わせ
たり、いじめたりするんですよ。そして、社会におびき出そ
うとする。「孤独」というネガティブイメージを真に受けて
はいけないと思います。
「ひとり」でいたければそうすればいいんですよ。悪いこ
とでも不幸なことでもないし、変なことでもない。「孤独=
いけないこと」という刷り込みをされているせいで、自ら精
神的な負担を生み出してしまって、実際に具合が悪くなった
りするだけのことです。本来、ひとりぼっちは気楽なもので
すよ。
とはいうものの、ちょっとは適当に社会に付き合ってあげ
るべきだとは思うけれどね。なんだかんだ言ったって、人間
は社会と関わらずには生きて行けなくて、いろいろ世話にな
るんだから、最低限の義務として、そして礼儀としてね。
私は社会というものは必要悪だと考えていて、必要最小限
の関りは持ちながら生きるのは仕方がないと思っている。
社会が「必要悪」だなんて思っているのなら、社会と関わ
らず、どこかでひとりで暮らしていれば良さそうなものだけ
ど、人間にはそんなことは不可能だし、さしあたり生きてい
ようと思っているからね。
シルベスター・スタローンが演じたランボーは、ナイフ一
つあればジャングルでも生きてゆけるけど、そのナイフは社
会からもたらされたものだ。完全に社会と無関係では生きら
れない。そのナイフがランボー自身が作った物だとしても、
ナイフの作り方をゼロから発想できるわけではない。そのノ
ウハウは社会からのものだ。そしてサバイバル術も社会から
学んだものだ。ランボーでさえ、社会との関わりなしにひと
りでは生きられない。ましてや普通の人間が自分の本来持つ
能力だけで生きてゆくのは不可能だ。人間に社会は必要だ。
ところが、「人間が社会を必要とした」はずなのに、「社
会が人間を必要としている」のが社会というもので、人間は
社会を存続させる道具になってしまっている。
名誉やお金を得るという刺激に目を眩まされて、自分本来
のしあわせを見失って、社会を動かすことに命を賭ける。そ
れは賢明なことだろうか?
社会は必要だ。社会は大事にすべきだ。ただ、人は本来ど
うあるべきか、どのような存在かを見失っては意味がない。
そのためにはひとりでいることを大事にすべきなんだ。
社会の目眩ましに気付いて、社会の道具にされないよう
に。そして何より、生きていることの本質的な喜びを味わえ
るように。
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