2018年12月17日月曜日

〈アタマ〉を “クビ” にする~健全な “自己経営” の為に~


 『絶望しましょう』というのが、前回のタイトルだったん

ですが、誰も絶望したくはないですよね。

 なので、「上手に絶望しましょう」みたいなことを書いた

わけですが、ということは、「下手な絶望」と「上手な絶

望」があると、このブログの書き手は思っているわけです。



 「〈絶望〉に上手も下手もあるのかよ」という反応もある

でしょう。

 〈絶望〉には上手・下手があります。



 「自ら命を経つ」「自暴自棄になって、破壊的な行動をと

る」というのは、「下手な絶望」をしたからですね。


 「自ら命を絶つ」のは、“セルフイメージ” を守る為に、

社会の中にある “自分の身体” を消そうとする事です。

 「自暴自棄になって、破壊的な行動をとる」というのは、

“セルフイメージ” を守る為に、それを否定的に扱う社会を

無いものとする。あるいは消そうとする事です。だから「無

差別殺傷事件」を起こす者が出てくる。

 「下手」に絶望してしまったわけですね。



 では「上手な絶望」というのはどんなものか?

 “セルフイメージ” は、実態の無い、とても脆いものであ

ることを知って、自分(セルフイメージ=エゴ)を守り続け

ることは出来ないという結論を出す事でしょう。違う言葉で

言えば、「自分(セルフイメージ=エゴ)をあきらめる」と

いうことになりますね。



 普通に考えると、自ら命を絶つことは「自分をあきらめ

た」ように思われますが、そうではないですね。

 《 自殺する人は、自殺する以外生きる道が無かった人》

ということで、 “自分(セルフイメージ)” を守ろうとして

世の中からの完全な脱出を謀るのですね。「自分をあきらめ

られない」のです。

 ですから「上手に絶望する」場合は、〈アタマ〉で認識す

るところの “自分(セルフイメージ)” を葬って、命は命の

ままに任せるということですね。それまで自分の人生のコン

トロールを任せていた〈アタマ〉を、“クビにする” ことで

す。



 例えて言うと、〈アタマ〉というのは口先ばっかりイイこ

と言って、その実ゴタゴタばっかり生み出してる取締役のよ

うなもので、それが明るみに出たら、クビにするのは当然の

ことでしょう。ところが、“アタマの悪い取締役” が生み出し

た問題に苦悩して、オーナーがクビを括ってしまったりす

る・・・・。


 それで、経営が良くなればまだしも、アタマが悪い奴が後

を引き継ぐのですから、結局潰れてしまいます。それこそ

「絶望」です。



 なので、「絶望」するのは、行き掛かり上経営を任せてい

た “アタマの悪い取締役” に対してで、自分自身(オーナ

ー)ではありません。



 実際の世の中では 、“アタマが悪い” のはオーナーの方だ

ったりすることも普通ですが、ひとりの人間の中では、悪い

のは必ず取締役である〈アタマ〉です。

 〈アタマ〉は、なんの根拠もなく、確固たる自信を持って

自分の正当性を主張します(根拠が無いからこそ、強弁しま

す)。その「揺るぎなさ」に惑わされて、本来の自分である

わたしたちの方が、自身を否定してしまう・・・。



 健全な “自己経営” の為には、〈アタマ〉はクビにしなけ

ればなりません。〈アタマ〉には家族も、生活の実態もない

ので、彼が困ることがありません。安心してクビにできま

す。

 ただ、対外的な実務能力はあるので、いったんクビにして

から、現場の実務者として非正規で働いてもらいましょう。



 自分に絶望する必要はありません。

 〈アタマ〉にだけ絶望させれば良いのです。

 そもそも〈絶望〉は、〈アタマ〉が先走って行って、何処

かから持って帰ってくる、おどろおどろしく見える得体の知

れない観念ですが、そんなものは受け取る必要がないので

す。



 「変なのも持って帰ってくるな!持って帰って来たオマエ

が始末しろ!」と、突き返せばいいのです。



 たとえその〈絶望〉が、本当に自分の息の根を止める力を

持っていたとしても、先に息の根を止められるのは、〈アタ

マ〉の方でいいのです。自分自身はその間に覚悟を決めれば

よろしい。


 以前テレビで、ホスピスで長く働いてられる方の話を聞き

ましたが、いよいよ死期が近付いて来ると、非常に穏やかに

なられる方が結構多くおられるそうです。

 そういった方々は〈アタマ〉が先に絶望して、“生” の経

営権が自分自身に戻って来るのでしょうね。

 自分(セルフイメージ)にこだわって、それを守ろうとい

う思いも、もうどうでも良くなって、開放され、本来の自分

の自由さに気付くのでしょう。

 たとえ残された命があとわずかでも、生きている内にそう

いう想いになれるのはしあわせなことでしょう。



 あなたの〈アタマ〉はどんな仕事をしていますか?


 上手すぎる話を持ち込んだり、へんな取引先を連れてきた

り、大事な取引先と縁を切ろうとしたり、現実性の無いプロ

ジェクトをぶち上げたり・・・。そして、そういう失敗を、

ありとあらゆる手段を使ってごまかす・・・。

 よくよく見てみれば、ロクな事はしてないはずですよ。



 健全な “自己経営”   良く生きるということですね  

の為には、〈アタマ〉を “クビ” にしなければならないので

す。




 

0 件のコメント:

コメントを投稿