2018年12月18日火曜日

“弱者の味方” の味方


 私は、社会的弱者の味方です。

 私自身が、社会的弱者の部類に入ると思いますから、当然

ながらそっち側です。ただ、何をもって社会的弱者とみなす

のかという問題が残りますが・・・。


 私が、自分を弱者の味方だと言ったって、それで具体的に

何かしてるのかといえば、余裕があれば少しばかり募金をし

たりする程度のことで、「味方」だと胸を張れる様な人間で

もありません。


 私は、その程度のものですが、世の中には、立場の弱い、

苦しんでる人たちの為に奔走している人がいっぱいいます。

その中には、本当に自分のことを後回しにして、他人の為に

動いている人も結構いますね。そういう姿を見ると、素直に

「偉いなぁ」と思います。「自分にはできないなぁ」と。


 そういった人たちを動かして行くものは、何なんでしょ

う?

 何がそうさせるのでしょう?


 阪神淡路大震災の時、それまでの人生の中ではリーダーシ

ップを発揮するような事の無かった、どちらかというとその

他大勢の一人だった人が、自然発生的に避難所のリーダーと

して頑張ったり、後に災害支援などのNPOを立ち上げたり

するといった事が結構あったようです。

 そういった生き方へ進んで行く人というのは、「そういう

風になっている」としか言えないですね。


 社会の中に、人の心の中に、バランスを保とうとする働き

があって、物事が大きく振れた時に、反対側へ動かそうとす

る力が自然と出てくる・・・。その時に、その戻ろうとする

振り子の前にたまたま居た人が、その先頭に立つ事になるの

でしょう(次に何かが起きた時に、その振り子の前に居るの

があなたかもしれません)。

 そうであれば、当然逆もありますね。

 破壊的な方へ振り子が振れる時にそこに居る・・・。悪魔

のような人間・・・。そういう役どころは御免こうむりたい

ですが、もしかすると自分に回って来るかも知れません。
 

 それは「運命」ということですが、弱い立場の人に寄り添

おうとする人を動かす直接的な動機は、やはり罪悪感でしょ

うね。「理由もなく、自分は楽な立場に置かれている」とい

う感覚。後ろめたさ・・(それを感じることこそが運命です

が)。

 その罪悪感から逃れたいが為に、弱い立場の人を放ってお

くことが出来ない。そのままでは済まされない。

 だから、そういった人たちの多くは、心の内では本当はと

ても苦しいのだと思う。だって、その罪悪感が消えることは

ないでしょうからね。

 表面上は、人の為に働いて充実感や喜びを感じたりするで

しょうが、ホントは自分が助けて欲しいぐらいなんじゃない

でしょうか?


 人はみんな弱いですよ。

 強く見えたって、強がっているだけだったり、そのときの

状況が強く見せているだけであって、人は本質的に弱いもの

だと思います。誰もが “弱者” です。

 なぜなら、エゴは常に不安だからです。そして、エゴを持

たない人はいないからです。


 人(エゴ)は自分の弱さを恐れます。

 それを隠そうとし、無いことにしようとします。ですか

ら、他人の弱さに寄り添う事で自分の弱さを刺激されたくな

い。自分の弱さに気付きたくない。そうして、強がりな人間

ほど弱者を遠ざけます。

 一方で、弱者を目の当たりにしたことで、それによって自

分の弱さを突きつけられ、自分の弱さをごまかせなくなって

しまった人は、自分を救いたいが為に弱者に手を差し伸べず

にはいられなくなるのでしょう。「この人が弱い立場から抜

け出せるのなら、自分も弱さから抜け出せるだろう・・」

と・・・。


 精神科医やカウンセラーは職業ですから、“弱者の味方” 

と言ってしまうとちょっと違うでしょうが、ああいう職業の

人の自殺率は、一般の人より高いそうです(日本ではどうか

わかりませんが)。そういうことを考え合わせると、やはり

弱い立場の人の為に奔走しているような人は、その弱い立場

の人より、さらにしんどい思いをしているかも知れません

ね。


 「こんなにつらいのに、なぜ自分はこんなことを続けてい

るのだろう」

 そんな風に思いながら、日々を送っているんじゃないでし

ょうか。


 〈 “弱者の味方” の味方 〉が必要だと思います。


 この際、ちょっとだけ私がなりましょう。


 具体的に何も出来ないし、どうしたらいいかも分かりませ

んが、「 “弱者の味方” の〈弱さ〉を心配している人間だっ

ているよ」ということが伝わるなら、ほんの少しは気が休ま

るんじゃないかと思うんですよね。

 それだけなんですけどね・・・。


 お役に立てずに申し訳ないです。




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