2017年7月15日土曜日

ピラミッドを寝かせてみれば。 弱肉強食?


 「食物連鎖のピラミッド」って、見たこと有りますよね?

 ピラミッド型の図の頂点にライオンが居て、その下にシマ

ウマとかガゼルなんかが居て、さらに下に草原の草の絵が描

いてあったりするやつです。


 あれと、全く同じ形で、会社とか官僚とか軍隊とか、あら

ゆる組織がピラミッド型の図で表わされますが、「もういい

加減に辞めたら?」と、この頃思っています。

 組織を辞めるのでは無いですよ、「組織をピラミッド型で

考えるのを辞めたら?」ということなんです。
 

 ああいうピラミッド型の図を見ると、例えば、会社なら頂

点が社長で、「社長が一番偉い」という捉え方をしがちです

し、官僚なら事務次官がトップであると見ます。

 でも、こういう見方は事実に即していないと思うんです

よ。


 《 食物連鎖のピラミッドを立てて考えるから

   ヒエラルキーが生まれる

   これを寝かせて考えなくてはならない

   事実、食物連鎖は

   地球上にほぼ水平に広がっている 》


 実際の食物連鎖を考えると、立てたピラミッド型より、寝

かせた同心円で考えた方が、本質に合っているだろうと思い

ます。

 円の中心にライオンが居て、その周りにシマウマが・・、

といった感じで。(実際はもっともっと複雑ですが)


 なんでこんな話を始めたかというと、本当は生物の世界に

も、人間の社会や組織にも、“トップ” というものは存在し

ないからです。ですが、あのピラミッド型を見せられると、

頂点にいる者が強大な力を持っている様に思ってしまうんで

す。でも、本当は違います。

 確かに、全体を取りまとめたり、大きな影響をもたらす者

は居ます。しかし、それは役割分担であつて、「偉い」とか

「強い」とかいうものではないのです。

 ピラミッド型では “トップ” に位置づけられる者が、平面

の同心円では “要(かなめ)” といった位置づけになりま

す。それはそれで、大きな意味を持つポジションですが、

「上」ではないのです。


 自然界の食物連鎖も、人間の社会も、さまざまな関係性の

サークルが、無限に複雑に重なり合って地球上に広がつてい

ます。その中では、その世界の変化によって、しょっちゅ

う、あちらこちらに “空き” が出来ます。その時、その “空

き” の形(求められる性質)に合っていて、尚且つ最も近く

に居る者が、そこに収まることになりますが、それは「トッ

プに立つ」とか、「○○を従える」ということではなく、

「そういう役割だ」という事です。


 「弱肉強食」という言葉がありますね。

 あれは、「強い者が、弱い者の肉を食う」という事です

が、逆の見方だって出来るのです。

 ライオンは、シマウマが居なければ、食べる物が無くて死

んでしまいます。(他の草食動物とかは居ないことにして)

 シマウマは、ライオンが居なくても生きて行けます。(ほ

んとは、そう単純でもない様ですが)

 ライオンはシマウマに依存している訳ですが、シマウマは

ライオンに依存してはいません。

 どっちが、強いんですか?


 企業を考えてみましょう。

 現場の従業員が、ある程度の人数辞めたり、休んだりした

ら、仕事はたちまちストップしてしまいます。

 社長が、突然死んだり、病気で入院しても、仕事に根本的

な影響は出ません。

 どっちが、偉いんですか?


 もちろん、社長は必要です。そのポジションは大事です。

 でも、「上」に居るのではないのです。せいぜい、「中

心」に居るのです。


 わたしたちは、これまでに、あのピラミッド型の図をさん

ざん見せられてきて、“トップ” “ダウン” のイメージを深く

植え付けられてしまっています。「お殿様と平民」「総理大

臣と国民」「CEOとパートタイム」とか。(CEOって何?

日本にそんな言葉要るのかよ?カッコイイ気がするだけでし

ょ)

 でも、あの図はウソです。

 ウソと言って悪ければ、間違いです。
 

 わたしたち人間は、地べたで生きているので、俯瞰して物

事を見るのが苦手なのでしょう。だから、ついあんなピラミ

ッド型を立ててしまったのでしょう。


 ピラミッドは寝かしましょう。

 そして、それぞれは、それぞれの状況に応じた役割分担で

あって、「階層など無い」のだと知りましょう。


 岡林信康さんの、「山谷ブルース」という歌に(古いです

が・・)

 ひとは 山谷を 悪く言う

 だけど 俺たち居なくなりゃ 

 ビルも ビルも道路も出来ゃしねぇ

 世間恨んで なんになる

という一節が有りますが、当時も今も、この詞は「底辺の人

間が居て、世の中を支えている」といった捉え方をされるだ

ろうと思います。でも、「底辺に居る」のではないのです。

すべての人間が平面に広がっていて、それぞれの関係が集約

される点が、あちらこちらにあるということです。


 ピラミッド型で組織を捉えて、ヒエラルキーを保持するの

は、軍事組織だけでいいと思います。それ以外の組織では、

上位の者による、横暴や搾取を生むだけです。


 ピラミッドを寝かせても、実際の組織の形は変わりません

が、人々が平面的な関係として組織を捉える様になれば、物

の見方が、かなり良い方へ変わるように思うのです。



 話は変わりますが、「ジュラ紀・白亜紀には、恐竜が地上

を支配していた」とか、「現在は、人間が地球を支配してい

る」とかいう言い方が、テレビや本でもよくありますね。あ

れ、気に入らないんですよね。


 べつに、「恐竜が支配していた」わけでないし、「人間が

支配している」わけでもない。「ちょっと、目立ってる」だ

けでしょ。

 当時は、「恐竜が目立つ様な役割だった」。今は「人間が

目立つ役割をしている」だけです。

 「人間が支配している? 笑わせてくれるよ!」と、他の

生き物たちは思ってるんじゃないでしょうか。


 自分たちがどうしたら良いのかも分からずに、右往左往し

て、国や民族の間で騙し合ったり、いがみ合ったり、戦争し

たり。妄想してムダな事ばっかりに資源を浪費して、世界中

にゴミの山を築いている。

 「それで、地球を支配してるだって? 

  おまえらホント。アタマ悪いよ!」

 私が他の生き物なら、そう言います。


 人間は、他の生き物たちと上手に関係を作れず、地球の上

であちこち転げまわって、他のものを壊したり殺したりし

て、ジタバタ・ドタバタしているばっかり。

 もうそろそろ、どうにか出来ないもんでしょうか・・・。



 

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