コンピューターよりアタマを冷やせ。

　この頃、「AI が発達して、やがて人間の仕事を奪ってし

まう」という話をよく耳にする。

　少し前にも AI についてちょっと触れたけれど、さて AI 

は本当にそこまで拡がるのだろうか？

　「AI （と、ロボット）が広まり、膨大な数の失業者が出

ると、いったい誰が物やサービスを買うのか？」という問題

もさることながら（面白い話だけどね）、私が怪しんでいる

のは電力の事です。
　　

　ちょっと前に、「ビットコインの取引に使われれる電気量

が、デンマーク一国分を越えた！」という話をネットで見

た。

　ビットコインだけでこれなのに、経済の電子化はまだまだ

加速するはず。そこに EV や、その自動運転とそれに掛か

るインフラ、AI とロボットに消費される電気が加わるの

に、世界は「脱 CO2・脱原発」に進み、「再生可能エネル

ギー」だけで社会を動かそうなんて考えている。

　“そんなこと出来るか？”



　「脱 CO2」だから、化石燃料は使わないのである。

　クルマは当然、電気自動車です。

　ジェット機は飛ばせないですけど、飛行機は全部、モータ

ー駆動のプロペラ機になるのですね？

　船も全部、モーターエンジンになるわけですね？

　働くのは、人と代わったロボットに AI ですが、彼らはご

飯やパンでは動きません。電気です。

　そういった莫大な量の電気を、太陽光や風力なんかで賄お

うというのですね？

　コンピューターの発熱を冷やすのにも、電気が要ります

が、その電力も相当な量になることでしょう。

　「コンピューターを冷やす前に、アタマを冷やしたら？」

なんて思いますが、何か解決策が見えているのでしょうか？
　

　私の持ってる科学の知識の中には、その解決策は無さそう

ですけど、誰か賢い人が知っているのでしょうか？



　それから、もの凄い数の風力発電施設が作られると、風の

エネルギーが電気に変換される為に、世界の大気の循環　　

風の流れ　　が遅くなって、気象に影響を与えるはずです。

　それに加えて、大気の循環に使われるはずだったエネルギ

ーは、電気になった後に、結局 “熱” になって放出されるこ

とになるでしょうから、大気の循環の緩慢化と緩慢化分の熱

滞留によって、局地的に温暖化するのではないのでしょう

か？

　さらに、広大な面積に拡がった太陽光パネルは、地表に届

いていた太陽光を遮るので、地表の寒冷化と、パネルからの

反射によって、私なんかには予想も出来ない環境問題を引き

起こすんじゃないか？　
　

　結局、電力量の不足と環境破壊によって、人々　　どこの

人々か知らないけど　　が AI に託す夢は水泡に帰すのでし

ょう。

　“AI 化” というより、人間と社会の “電気化” ・ “機械化”

は資源と環境の問題によって、頭打ちになるでしょうよ。



　もし、物理学の常識をひっくり返すようなブレークスルー

が起きて、それが叶ったとしても、前にも書いた様に（『テ

クノロジーに、バンザイ！』2018/3）「人は何をするん

だ？」ということで・・・。



　「アタマばっかり喜ばせていないで、自分達の〈命〉につ

いて、親身になったら？」と想う、今日この頃。