最近よく目につく話題で、若い子や子どもたちが、打たれ
弱く、無気力になってきているというのがある。
私はそういう世代と接点が無いので実感はないが、退職
代行という職業が成立したり、不登校が35万人とかいう話を
聞いてると、「そうなんだろうな」と思う。
小さい頃から家の中で遊んで、学校の他にいろいろな習い
事でも忙しくて人と関わる経験が少ない為に、人との関係が
上手く持てないからではないかとかいう。そういう解説を聞
くと「まぁ、そうなんだろうな」とは思うけど、もっと根本
的に、今の若い人たちにとって、既製の世の中のお話しが訴
求力を持っていないのだろうと思う。
車に乗らない、出世しようと思わない、金持ちになろうと
思わない、人間関係がわずらわしい・・・。
そういう在り方が、単に「お金が無いから」とか「能力不
足で人生あきらめてる」とかいうことだけではなくて、20世
紀に作られた世の中のお話し(サクセスストーリーなど)が
「言っても、それひとつの“お話し”だよね」と若い子たち
の多くに気付かれてしまったんじゃないか?
自分たちの上の世代の右往左往を知っているので、これま
でみんなが「価値がある」としてきたことの無理くりさ加減
や、価値の裏側にある面倒なことが見えてしまって、「そん
なのプラマイゼロか、下手したら大損だろ?」と感じるの
で、やる気なんて出ないし、ヤバけりゃすぐ逃げるというこ
とになっているのだろう。それならば、結構なことだと私は
思う。
こんなブログを書いているような人間だから、自分の考え
に引き寄せてそう見てしまうだけかもしれないけれど、積極
的に社会に参加しない、参加しても嫌ならすぐ身を引くとい
うのは、人として健全だ。
やる気が無いのは個人の側のせいではなくて、世の中のお
話しに魅力がなくなったせいだろう。
その、世の中の魅力の無さが、単に「今の世の中のお話し
に魅力が無い」のか「世の中は“お話しでしかない”から魅
力が無い」のかでは大きく違うが、「世の中は“お話しでし
かない”」と知ってしまった人が多いのではないかと思う
私の希望的観測でしかないのかもしれないが。
そういう世代がこれから世の中の中心を占めるようになる
と、大きな時代の転換を迎えるかもしれない。私が理想的だ
と思うのは、縛りのゆるい世の中になることだけど、秩序が
乱れて世の中が機能不全を起こすだけかもしれないし、外国
に食い物にされてしまうかもしれない(外国人に・・ではな
いよ)。
一番いただけないのは、不満足の揺れ戻しで、ナチスが台
頭したように負のエネルギーがお祭りを起こしてしまうこと
だけども、さて、どうなるのやら。
もちろん私がどうこうできる話ではないので、横目で見て
いるだけだが、世の中に魅力を感じない若い子たちが、ため
息をついたりしらけたりしているだけではなくて、「世の中
のお話しは放っておいて、自分に帰ってくれればなぁ」と思
う。
よくある「どこかへ出かけたり何かに没頭して日常を忘れ
る」とかいうのじゃなくて、「世の中のお話しの外にある、
人としての本当の日常を愛おしんでくれたらなぁ」と。
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