2017年5月7日日曜日

原理主義ワクチン

 相も変わらず、世の中には物騒なニュースが流れています

が、わたしたちを恐がらせることは沢山有りますよね。

 小惑星の衝突や、超巨大火山の噴火。太陽のスーパーフレ

ア、次の氷河期など、人類を存続の危機に追い込む事象も

色々考えられますが、そういった自然の脅威は別として、

間の生存にとって最も脅威となるものは、感染症でもガンで

もなくて、原理主義でしょう。

 これまで行われてきた数々の戦争。テロ。魔女裁判。経済

にまつわる様々な問題。環境破壊。核兵器などのテクノロジ

ーの脅威。

 こういった事柄の大きな原因となっているのは、原理主義

ですね。



 原理主義者は自身を疑う事がありませんから、平気で過剰

になります。

 原理主義者は自身を疑う事がありませんから、平気で異常

になります。

 原理主義者は自身を疑う事がありませんから、平気で無情

になります。

 原理主義者は自身を疑う事がありませんから、平気で強情

になります。

 原理主義者は・・・・・・・・、いいかげんにしないと、

私が原理主義者の様です。
 

 そういった具合ですから、原理主義者を回心させることは

ほぼ不可能。原理主義の最も困ったところは、そこですよ

ね。他の人間の問題は、話し合えばどうにかなるかも知れま

せんけど、原理主義者に話は通じませんものね。原理主義者

を止めるには、潰すしかありません。当然、事態は殺伐とし

たものになってしまいます。

 また、原理主義者に関わっていると、こちらまで「アンチ

原理主義」という原理主義者になりかねません。「ミイラ盗

りが、ミイラになる」わけですね。(この言葉、もしかする

と相当古いのかなぁ。通じるのかなぁ)

 程度の差こそあれ、人間は余程気を付けていなければ、

単に原理主義に陥ってしまいます。

 集団で社会に害を及ぼす様なものではなく、個人レベルで

気付かぬうちに人を傷つけたり、自身が自分で作った穴にハ

マったり。「自分が正しい」と思える時は、警戒心が薄れま

すから、ホントにヤバイ。(プチ原理主義ですね)


 何がヤバイかというと、「原理主義者は潰すしかない」わ

けですから、自分が原理主義者傾向を見せると、周りは潰し

に係って来ます。

 自分で穴にハマったり、周りから潰しに来られたり、一時

いい気分になれても、原理主義にはロクな事がありません。

 原理主義は社会にとって大きな害悪ですが、個人にとって

も、自他ともに害を及ぼすものです。

 わたしたちは原理主義から(原理主義者からではなく)自

分を守らなければなりません。


 原理主義の根幹は、「自分は正しい」ということですか

ら、原理主義から自分を守る為には、常に自分を疑っていな

ければなりません。ということで、私は《正しいとは、そう

いう事にしておけば気が済むということである》と言わなけ

ればならなくなります。

 これは、理屈の上では原理主義に効くのですが、原理主義

の定義上、彼らは聞く耳を持っていません。なので、治療に

は無力です。
 

 でも、予防の効果は期待できるので、原理主義にはまり込

んでしまう前に、あらかじめワクチンとして、十四・五歳の

頃に


 《正しいとは、そういう事にしておけば

           気が済むということである》


と、世界中で教えてもらえれば、人類の平和と幸福に貢献で

きます。

(原理主義者を気取ってみました・・)




 人間というものは、「わたしは正しい」「わたしは正し

い」を、ホントーに飽きもせずやり続けています。

 そんなに「正しく」て、それが何だというのでしょう?


 《 あなたの、その「正しさ」が、

      今まで何をしてくれましたか? 》


 人は皆、「正しさ」に固執しますが、それが本当に『正し

い』ものなら、良い事だけをもたらしてくれるのではありま

せんか? もちろん、色々な良い事があるでしょう。しか

し、それだけではなく、その「正しさ」をめぐって様々なト

ラブルやプレッシャーなどの問題が立ち上がってくるのが、

実際のところでしょう。

 「いや。反対する人間がいるから、問題が起きるだけだ」

という反論が予想されますが、反対があるということは、そ

の「正しさ」は、相手にとっては「正しくない」わけですか

ら、「正しい」とは言い切れません。

 「いや。相手がバカだから〈正しさ〉が分からないだけ

だ」

という反論も予想されますが、“バカ”に分からない様な「正

しさ」を持ち続けても、“バカ”との間でトラブルが続くだけ

ですから、その「正しさ」には、“バカ”とのトラブルを解消

するだけの統合力が欠けています。不完全な「正しさ」で

す。

 結局のところ、人が「正しい」と言っていることは、「都

合がいい」という事でしかありません。(その「都合のよ

さ」も一時的なものでしかないのですが)


 わたしたちは、人と話をする時、「わたしは正しい」とか

「あなたはおかしい」とか言うのではなく、「わたしに都合

がいい」とか「わたしに都合が悪い」、などと言うべきでは

ないでしょうか。


 いったい、「正しさ」って、そんなに「正しい」のでしょ

か?

 
 窓の外を見ると、「五月晴れ」の青空が広がっています。

 人は、いったい何をやってんだか・・・・。






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