2018年2月22日木曜日

二人の エックハルト のこと


 この間、マイスター・エックハルト(13~14世紀のキリ

スト教の神学者。死後、異端とされ、表舞台から姿を消した

が、わずかに残された教説は、“真にキリストの教えを説く

ものとして受け継がれている” ようです)のことをググって

いたら、エックハルト・トールという人のことを知った。

 ドイツ生まれで、カナダ在住。現在70歳で、90年代から

著作や講演を行い、欧米ではよく知られたスピリチュアルテ

ィーチャーというということらしい。


 なんとなく興味を持って、You Tube にある講演の動画を

観たのだけど、「・・オレのと一緒だ。」そう思った。

(観た動画についてだけですが)



 いくつかの動画を観てみたけれど、言っていることは、私

が考え、感じていることとと本当に一緒で、何の異論も違和

感も無い。

 「オレ、ブログ辞めようかなぁ」とほんのちょっと思うく

らいに、“一緒” 。



 もちろん表現は少し違うし、向こうの方がずっと落ち着い

ていらっしゃるので、その「語るところ」がしっかりと

〈肚〉に入っているのでしょう。(私はまだまだ〈アタマ〉

と格闘中・・。格闘してはいけないんだけどね・・)



 トール氏の話に、何の文句も無い。


 要するに、「今 ここ」ということ。

 要するに、「エゴに力を与えるな」ということ。

 要するに、「本当の自分・命を解放してやる」というこ

と。

 人の最大にして、唯一の障害は「自分という〈エゴ〉」で

あると・・・。

 私がトール氏に直接会って、「要するに〈アタマ〉が悪い

んですよね。」と訊いたとしたら、ニッコリ笑ってくれる事

でしょう。



 私のブログを読んで、「なんとなく面白いけど、何言って

るかよくわからんなぁ」という感想をお持ちの方は、トール

氏の動画をご覧ください。ずっと分かりやすいと思いますか

ら。




 そして、トール氏のことを知るきっかけとなった、マイス

ター・エックハルトについて。

 『エックハルト説教集』(田島照久編訳 岩波文庫)とい

う本を買って読み始めたばかりなんですが、言ってる事は仏

教・老荘思想と同じ。そりゃぁ、キリスト教会から “異端” 

にされると思う


 キリスト教会は、キリストの教えを、自分たちの〈エゴ〉

を強化する為に 、“自分” たちに都合のイイ様に解釈してる

から、キリストの教えの神髄を “モロ” に語るエックハルト

は、敵でしかなかったでしょう。「自分を捨てなさい」って

言ってるんだから・・。


 読んでいると、キリスト教特有の言葉に馴染み難い感じが

あるけれど、仏教用語に置き換えながら読んだりすると、す

ごく納得がいったりします。(「有」という言葉を「仏性」

と読み替えてみたり・・)



 二人のエックハルトの言葉にあるのは、「人が真に幸福で

ある為には、『いかにして〈エゴ〉を沈黙させるか』という

ことに掛かっている」ということですね。

 どんな宗教であれ、哲学であれ、科学や他の学問であれ、

「人とは」「世界とは」「幸福とは」といった、根源的な問

題を突き詰めて行くと、結局同じ所に行きついてしまう。



 素粒子を研究していたら、仏教みたいな話になった。

 キリスト教を突き詰めたら、浄土真宗の教えと一緒になっ

ちゃった。

 お経を読んでたら、同じ意味のことをイエスが言ってい

た。

 そんな風に、人間が頭で考え、身体で感じて、「人」と

「世界」と「生」の真理を得ようとすると、同じ所に辿り着

くのは当然と言えば当然ですよね。



 エックハルトを異端としたキリスト教会のように、「こっ

ちが正しい」、「おまえはおかしい」という、幼稚な世界か

らいいかげん人類は抜け出せないものか・・・。

 抜け出せないよねぇ。〈エゴ〉はズル賢いから。

 私自身も抜け出し切れないから、分かったようなことを言

うのはおこがましいんだけどね・・・。




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