2018年9月23日日曜日

すき間を見る


 私の書いていることは、基本的に非常識です。

 なぜかと言えば、世の中には、戦争・テロ・いじめ・児童

虐待・無差別殺人・薬物乱用・パワハラ・セクハラ・搾取・

貧困・環境破壊などが止む事無く起きていて、そこには人間

の傲慢・強欲・妬み・愚痴・うぬぼれ・卑下・恨み・などが

渦巻いています。

 世の中の常識はそれらを無くすことが出来ないばかりか、

世の中の常識こそが、それらを生み出している可能性が高い

と考えるべきでしょう。だから私は “常識” に懐疑的です。

 “常識” に多く含まれる胡散臭さに敏感で、それらを看過

出来ないんです。だって、“常識” というものが良いもの

らば、世の中の不幸や愚かさがこんなに続くはずがないです

から。



 私は、なんでもかんでも「常識は間違ってる!」と考える

反動家ではありません。単に「変だと思うことは、疑ってみ

る」というだけのことです。

 そして疑いの目で “常識” を見ていると、あるストーリー

が見えて来てしまう。そしてこう思う。

 「ああ、これは誰かの都合で描かれたお話に過ぎないな」



 ヒトラーの “お話” にドイツ人が乗っかって、ユダヤ人の

虐殺が起きた。その当時、その “お話” はドイツでは “常識”

だった。

 真面目に頑張って仕事をすることが常識。その “常識” が

絶対視され過ぎたり、傲慢な経営者がそれを利用すると、働

く者が身体を壊したり、過労死や過労自殺が起きる。

 “常識” なんて、信用できたもんじゃない。



 もちろん、大切にするべき “常識” はありますよ。

 人の尊厳を守り、人を安らがせる “常識” や、わたしたち

の生きている世界を乱さない為の “常識” もあります。けれ

ど、 世の中の “常識” の 7~8割は、どうでもいいことか、

かえって害を及ぼしているような気がします。ロクなもんじ

ゃないと。

 だから私は、ついつい非常識になってしまう。


 別に新しい常識を作ろうなどと大それたことを考えている

わけではありません。あるお話を取り下げて別のお話を取り

上げたところで、“お話” であることに違いはありません。

“お話” 以前に、疑いようもなく存在している事があるだろ

うと思うし、それを認めた上で頭を使わないと、その時代や

どこかの誰かのお話に振り回されて、有る事を無い事にした

り、無い事を有る事にしたりと、際限のないバカな骨折りを

繰り返しかねない。

 その「“お話” 以前」のことを大切にしなければ、赤道直

下で毛皮を着て暮らすような、まったくトンチンカンな生き

方をして終わりかねない。


 常識と常識のすき間を見るようなものの見方が必要だと思

うのです。


 面白いものの見方があるんです。

 たとえば、わたしたちは街を歩くと、まわりの人や建物、

店の看板や車や街路樹なんかを見ながら歩いていますが(ス

マホもあるね)、そういう時に意識して何もないところを見

るようにするのです。

 人と人の間、ビルとビルの間、看板の字じゃなくて地の部

分、いろんな音が聞こえる中で音の無い部分に耳を向ける。

 空を見上げる時があれば、雲や星ではなく空間の方を見

る。そうやって、何もない空間の方に意識を向けてみる。

 具体的な「空観」ということですね。


 面白いですよ。

 空間には何もない。当然意味も無い。

 わたしたちは、四六時中意味に囲まれて暮らしているけれ

ど、こんな風に空間ばかりを目で追って、音の無い所に耳を

傾けていると、心が意味から解放されて来ます。物事の本質

が見えてくる(ような気がします)。

 そして周りにいる人たちが、意味に動かされて “お話” の

中をうろつき回っているのが見て取れます。建物などのあら

ゆる人工物が、それぞれの “お話” のためにあるのだとリア

ルに感じます


 意味から解放されると、当然ながら自由になります。

 「無意味」は何のプレッシャーも与えません(「意味」を

求める人にはかえって不安でしょうがね)。


 この世の中で生きる為には、意味を放棄することは出来ま

せんが、意味に取り巻かれて苦しんだり、意味に酔っぱらっ

たようになっている日々から時々抜け出して楽になるには、

おすすめです。

 さらに、そんな時間が増えて行けば、日々は、より安らか

なものになっていきます。


 何も無い。

 それが世界のベースです。

 当たり前ですが、空間があって初めてそこに物が存在出来

る。わたしたちも空間の中に存在している。

 空間に生かされていることを認識する。

 何も無いことに安らぐ。


 いえ、何もないことこそが安らぎなんじゃないでしょう

か。






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