2018年2月20日火曜日

成功するのは何の為?


 オリンピックにはほとんど興味が無い。早く終わって欲し

い。

 テレビと新聞が、無理矢理盛り上がってるように見せてる

だけの話で、オリンピックに対する興味は、年を追うごとに

低下しているというのが本当のところだろうと思う。

 それは、なにも私だけのことではなくて、日本、あるいは

世界全体でだろう。


 娯楽は多様化し、人類の文化全体がどん詰まりに来ている

だろうから、あるイベントやあるジャンルに興味を集中させ

ようとするのは、もう諦めた方がいいと思うんだけどね。特

に、古いコンテンツにはね。


 私がテレビ局の社長だったら、オリンピックの時期には文

化系の特番を出来る限り詰め込んで、オリンピックから逃げ

て来る、スポーツに興味の薄い人間を取り込もうとするけど

ね。

 「ウンザリするなぁ」と思いながら、オリンピックの中継

や報道に触れてるのは、私だけじゃないだろうから。



 それはともかく、今日書こうとしてたのは、“オリンピッ

ク出場“ や ”金メダル” といった、〈目標〉と〈成功〉につ

いてです。
 

 何故、人は〈目標〉を持つのでしょう?

 〈成功〉とは、何でしょう?
 

 人が〈目標〉を持つのは、「ヒマだから」でしょう。たぶ

ん。(今、何処かから私に向かってミサイルが発射されたか

も知れません)

 そして、〈成功〉とは「ヒマつぶしの正当化」だと思われ

ます。(確実に、ミサイルが迫っています)



 〈目標〉というのは、生きてゆく為にどうしても必要なこ

とを含みません。

 災害地で、“飲み水をもとめること” を〈目標〉とは呼ば

ないでしょう。〈目標〉とは、“余剰” として設定されるも

のです。



 例えば、〈プロボクサーを目指して、アルバイトをしなが

らの貧乏暮しの青年〉の場合、その人は一応生活上の必要を

満たした上で、ボクサーを目指しているのですから、「ボク

サーになる」という〈目標〉は、やはり “余剰” です。もし

も、バイトをクビになったら、練習を休まざるを得ないでし

ょうからね。支援者がいない限りは・・。(「バイトも、ボ

クサーになるための努力のひとつだ!」という理屈は、無し

にしましょう)


 人が〈目標〉を持つのは、「そもそも、自分が何の為に生

きているのか分からない」ので、余裕が出来てしまうと何を

していいのかが分からない。そのまま何もせずにいると、

「おまえは『何の為に』生きてるの?」という囁きが、アタ

マの中に拡がり始めて、不安になるからです。

 その不安を消す為に、“すべきこと” =〈目標〉を設定し

てしまう。

 そして、“目標を達成” =〈成功〉してみせることで、

〈目標〉の正当性を担保したいのです。


 何故 “目標の達成” が、〈目標〉の正当性の担保になるか

というと、「目標を持ち、それを達成するということ自体

に、意味(または価値)がある」という社会の共通認識があ

るからです。

 なんで、そんな共通認識があるかというと、みんな何もし

なければ不安なので、「何かするのは悪いことじゃない」と

しておきたいのです。ですから、その〈目標〉が反社会的な

ものでなければ、「人が何かをする」こと自体には、ケチを

付けない事になっているわけです。(「反社会的」といって

も、あくまで “その社会” の中での話ですが)


 で、せっせせっせとみんなが “何か” をやり続けて、地球

上は、経済・社会・宗教・環境・あらゆるところに、「余計

な問題」だらけ・・・。というのが、われわれ人類のていた

らく・・・。


 ビジネスパートナーを増やすことと、遊び仲間を増やすこ

とは同じです。片方は「一見遊びに見えない」というだけで

す。

 パチンコをすることと、オリンピックに出ることに、本質

的な違いはありません。(あっ、二発目のミサイルが発射さ

れました)

 近所の中学生がゲームに熱中することと、藤井聡太くんが

将棋に集中することに違いはありません。藤井くんの方は、

賞賛されますけど、将棋って、ゲームでしょ? (22世紀に

は、「ゲーム九段」とか「ゲーム王」とか「ファイナルファ

ンタジスタ」なんて肩書きが、社会的に認められていて、国

民栄誉賞を貰ったりするんでしょう)


 「そんな余計なことするな!」とは言いませんが、「そう

いう〈目標〉や〈成功〉は、人々が人間の本質的な不安から

逃れる為の『余計な事』だということは、誰もが認識してお

かなければいけないんじゃないの」と、思っちゃったりする

んです。特に、テレビ番組がオリンピックだらけになったり

するとね。

 「いいかげんにしとけよな・・・」って・・・。




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