2018年2月21日水曜日

成功すべきことは?


 《〈成功〉とは、「ヒマつぶしの正当化」》などと、相変

わらずの憎まれ口を叩いている私ですが、なにも「ケンカを

売ろう」とか、「成功者を妬んでる」とかいうわけではあり

ません。(正直なところ、そう言い切れる自信はないけれ

ど・・・)

 「成功することが、そんなに大事なの?」

 と思っているだけなんです。


 「目標を持つ」

 「成功する」

 だからどうなの? (いかん! さらにケンカを売ってしま

っている・・) 
 

 いろんな人が、いろんな目標を持ち、成功したり失敗した

りしているけれど、それらの事はそれぞれの人の都合であっ

たり、好き好きによるもので、あくまで個人的な事です。

 目標の中には、会社や国といった集団が持つものもありま

すが、それらもその集団の個人的な好みと都合によるもので

す。

 そのような “個人的” なものは、個人の中で完結すればい

い話なんですが、どうしても他者に示したいんですよね、

「私は成功しました!」って。

 そして、他者からの賞賛や承認を得たい・・・。そうでし

ょ?


 例えば、“金メダルを獲っても、マスコミの取材は無い

し、地元の人も会社の同僚も無関心で、家族に言っても

「あ。そう・・・」と聞き流される” のだとしたら・・・。

一体誰が “金メダル” を目指すでしょう? 

 オリンピックなんか誰も興味が無くて、世界の何処かで関

係者だけが集まって、ひっそりと開催されてる・・。そんな

状況で、誰の賞賛も無くても「私は金メダルが欲しい!」と

いう人は、まず居ないでしょうね。

 毎年、日本中で市民マラソンが開催されるけれど、自分の

可能性を確かめたいのならば、別に市民マラソンに参加しな

くったって、休日に一人で 42.195km 走れば確かめられ

る。けれどもそんな人は、めったに居ない。

 みんな、誰かに確認してもらい、誉めてもらえて、初めて

納得するんです。


 自分だけでは、納得出来ないんです。なぜなら、そもそも

「それをする理由」など無いことを、自分で分かっているか

らです  意識下で。だから、他人の賞賛や承認が欲しい

 そして、他人の賞賛・承認が貰えたとしても、自分で「そ

れをする理由」など無いことを知っていますから、すぐに不

安が戻って来てしまいます。

 だから “「目標を掲げ、成功を目指す」人” は、終ること

なく「目標を掲げ、成功を目指し続ける」のです。死ぬま

で・・。


 これは、言わば【目標・成功依存症】という病気です。

「自分に落ち着いて居られない」という、〔不安神経症〕の

一種でしょう。恐ろしいことに、罹患率は人類の90%以上

だと思われます。生活に余裕がある社会では99%以上にな

るでしょう。WHOは何をしているのでしょう?



 「目標を掲げ、それを達成した!」という時は、いわば病

気の発作がピークに達している時です。興奮して、泣いた

り震えたりしています。〈成功に至るストーリー〉を知らな

い人が見たら、「この人、大丈夫?」って、心配するはずで

すよ? 一緒になって喜んでいていいのでしょうか?


 ・・・ちょっとイジワルが過ぎましたね。

 でもね、わたしたちにとって本当の〈成功〉は、「自分が

何をしたか?」ではなくて、「自分が、自分をする」ことだ

と思うんです。

 さっき書いた、 “一人で 42.195km 走る” というよう

な、「自分で納得出来ればそれでいい」という事は、それに

近いと思います。「自分で自分に納得する」のですから。

 でも、それでさえ ”本当は必要ない事” ですから、やはり

不安からの行動です。


 必要な事をしてしまったら、〈静かに座って、ニッコリ笑

ってる〉、〈ゴロンと横になって、寝てしまう〉。

 そういう人が、アタマに冒されていない、健全な人間だろ

うと思います。

 目標や目的を持ちたがり、それを成功させて達成感を得た

いという人には  ほぼ人類全員ですが  安静〉が必要

なんです。


 「自分が自分であり、自分として存在している」というこ

とは、生きている限り、誰でもいつでも自分で確認できるこ

とです。

 《「自分が存在しているという事」こそが〈自分の価値〉

であり、それは誰の承認も必要としません 》

 そして、

 《 人が本当に〈目標〉とし、〈成功〉しなければならな

いのは、「自分が在ることを自分で確かめ、自分に親しみ、

自分に落ち着くこと」です 》

 (毎度おなじみですが)それ以外の事は〈オマケ〉でしか

ありません。 
 

 子供が遊んでるのを眺めるのは、つまらないことでもあり

ませんが、いつまでも付き合ってはいられませんね。

 大人なら、なおさらね。



 

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