2022年1月15日土曜日

みんな病んでるなぁ



 この頃しみじみと思う、「みんな病んでるなぁ」と。

 そんなこと随分前から思っている。けれど最近は特に強く

思うようになった。世の中を見ててそう思う。ネットを見て

るとなおさら思うけれど、それは他人事ではない。このブロ

グを見た人が「コイツ(私のことですね)病んでるなぁ」と

思う確率もなかなかに高いだろう。

 けれど、そんなことは驚くに足りない。人は「病んでる」

のが通常だから。
 

 人は直立二足歩行をするようになって、腰痛に悩まされる

ようになったというが、それは自意識を持ったことに比べる

と大した問題ではない。人は自意識を持ったことで酷く病む

ようになった。いや、自意識を持ったということが「病」

だ。それはウイルスに感染することとよく似ている。

 ウイルスは感染した細胞の機能を利用して増殖する。自意

識も脳の機能を利用して増殖し、自らを強化してゆきつつ、

自分に都合の良い思想や宗教といったようなものの見方を産

生する。そして、脳を支配し、身体を支配しようとするけれ

ども、自意識は脳のことも身体のこともよく分かっていな

い。にもかかわらず、分かったつもりでそれを自分の気に入

るようにコントロールしようとするので、それがありとあら

ゆる人間の問題を引き起こす。

 「病膏肓(こうこう)に入る」という言葉があるけど、人

間のもっとも酷い病は脳に入っている。


 この病は形にはならないけれど、脳の中で情報のガンのよ

うに意識の中を占領してゆく。さらに厄介なのは、ガンは他

人に感染しないけれど、これは他人に感染する。感染者が増

えてくると、その一団は社会の中を自分の都合の良いように

具体的に改変して行くので、上手く行けば、かなりの期間、

自分たちに快適な環境を維持することができる。その面で

は、感染した方が幸せかもしれない。しかし、感染者を増や

し過ぎると、大抵の場合、時に破滅的で災厄としか呼べない

破壊をもたらす。歴史上、その証拠は枚挙にいとまが無い。



 人は生まれてくると、必ず感染する。誰もそれを避けられ

ない。

 目先の幸せを望むなら、感染したままでいることはメリッ

トが有るだろうけれど、生きるということを考えた時に、そ

れは得策か? できれば早い段階で感染を自覚し、その悪影響

をなるべく抑えた方がよいと私は思う。その方がレベルの違

うしあわせを生きることが出来ると思うからだ。

 ではどうやって悪影響を抑えるか?

 先に書いたように、感染を自覚することだろう。そして、

自分自身がエネルギーを与えなければ、それは具体的な力を

持たないことを意識しておくことだろう。そのようにして、

破壊的な影響を表出させないようにする。


 自意識が勢力を弱めれば、自動的に脳の他の部分や身体の

働きが表に出てくる。そして、それは世界と繋がる。自身と

世界の間に壁を作るのは自意識だから。
 

 私たちは、ひとり残らず、みんな病んでいる。病みながら

も生きている。

 勝手に心臓は動き、身体は自動的に病原体と闘ってくれ

る。自意識とは無関係に「生きている」。

 その「生きている」という部分に敬意を払い、尊重するこ

とで、自意識が思いもしなかった世界を体感することが出来

る。


 しあわせは、自意識の外にある。



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