2020年1月5日日曜日

誰も上手く生きられない



 世の中には、まったく下手くそな生き方をする人がいる。

覚せい剤に手を出してしまって依存症になり、何度も刑務所

に入るような人とか・・・。

 そういうあからさまな下手くそではなくても、大抵の人が

「自分は生きるのが下手くそだ・・・」と度々思いながら生

きているんじゃないだろうか。


 世の中を見ていると、すごく上手く生きているように見え

る人がいる。でも、その人の心の内は分からない。自分でも

「自分は上手く生きている」と思っているのかもしれない

し、他人には見せない部分で「自分はダメだ・・・」と苦悩

し続けているかもしれない。


 「世渡り上手のバチ当たり」と昔言っていたのは、明石家

さんまだったろうか。

 この言葉の真意は知らないが、「世渡り上手」な人は、問

題のある人だと思う。なぜかというと、世の中というものは

人のためにあるものじゃないから、それに上手に合わせて生

きられるということは、その人は、人としての本質からかな

り乖離しているだろう。


 人の為や、人に合わせて作られているのではないこの世の

中で、上手く生きられる方が不自然です。特に、現代のよう

に異常に複雑で込み入った世の中で、「自分は生きるのが下

手くそだ」と感じているとしても、それは当然のことでしょ

う。何の不思議もないと思うね。誰もがそういった部分を他

人に見せないようにしているだけで、みんな「上手く生きら

れない」、というのが本当のところでしょうよ。みんな、強

がっているだけですよ。強がっているというのが悪ければ、

「弱いところを見せまとしている」と言おう。


 なぜ、みんながそうするかというと、弱さを見せてスピー

ドを落としたりすると、すぐに抜け駆けする奴がいて、割を

食らうから・・・。他人をバカにしたりして優位に立とうと

する奴がいるから。だから、みんな弱音を吐いて座り込みた

くてもムリしてる・・・。


 無理して横並びを保っても、抜け駆けして先を行っても、

誰も心が休まることは無い。ほんの一時、達成感や満足感が

味わえたとしても、すぐに誰かから小突かれることにな

る・・・。(置いて行かれたら、もっと心が休まらないけれ

ど、もう小突かれることはないよ!)


 この世の中では誰も上手く生きられないんですよ。そもそ

も、世の中は「生きる」ところではない。

 「生きること」と「世の中」とは、直接の関係は無い。


 私は昔から「自分は場違いだな」と感じながらこの世の中

で過ごしてきました。

 さすがに、仲の良い者と笑い合ったりしている時にはそん

なこと思わないけどね。でも、世の中とはなじめなかった。


 そういう「疎外感」とか「部外者意識」とでもいうものに

少し折り合いがつけられるようになったのは、かなり年をと

ってからだった。「こんな変な世の中、場違いに感じてるぐ

らいが丁度いい」と思えるようになったから。


 みんな無理して笑ってる。

 あるいは、「こういう時は笑う時」っていう自己暗示や刷

り込みに、自動的に従っているだけ。心からの笑顔なんて、

そうそう見られるもんじゃない。


 この世の中では、誰も上手くは生きられない。

 「わたしは生きるのが下手くそです」って、みんなが素直

に白旗を揚げれば、お互いに楽になるのにね。


 ・・・今また、7~8人、私を追い抜いていったかな?



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