っくり言えば「愛は効率主義の仮想現実を凌駕する」という
話。・・・観てない人には何のことかさっぱりだし、観た人
にも分かってもらえないかもしれないけど。
『マトリックス』はさまざまに比喩的な解釈のできる作品
で、このブログでは主に「経済システムに人間が操られ、利
用されていることを表している」と読み解いている。(『リ
アルマトリックス』2017/3)
けれども、今回の作品はそこからさらに踏み込んで、「現
実とは何か?」「現実は存在するのか?」というところに踏
み込んでいる。観ていてアタマがクラクラするような感覚に
なる人も結構いるんじゃないだろうか。映画の中でも「『マ
トリックス』はヤバい!」と、セルフパロディのような、あ
るいは作者自身の戸惑いのようなセリフが出てくる。
数日前に『私の現実』などというブログを書いた私には、
そもそも二重構造になっている “現実” に、映画の物語が重な
って、“現実” が五重構造であるような感覚になった。面白い
ような気持ち悪いような・・・。
「これは現実か?」。今回の作品の前半では、主人公のネ
オがそのことで精神を強く揺さぶられるのだが、実際に、わ
たしたちの “現実” には実体が無い(ムチャクチャな表現だな
ぁ)。
『夢の終わりに』(2021/6)という回で書いたように、
結局のところ、わたしたちの人生は夢だと言うしかないの
で、“現実” という言葉は、考えるほどに宙に浮く。
〈 “「これは現実か?」と考えている自分は現実か?” と考
えている自分は現実か?〉以下、永遠に続く・・・・。
映画の中では、マトリックスの中で現実と妄想の区別が出
来ずに苦しむネオがいて、そのマトリックスをつくりだして
いるプログラムが存在して、そのプログラムを生んだ機械
(AI) が存在していて、機械と生身の人間が存在している世
界があるのだが、その世界は何者かの意識の中ではないの
か?
そして、私やあなたの〈意識〉は、私やあなたに在るの
か?
私は違うと感じている。
それはクラクラするような考察だけど、その奥には、なに
やら深い安らぎを感じる。
それを現実と呼んでいいのかどうか・・・。私に語る言葉
は無いが・・・。
確かに『マトリックス』はヤバい。
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