2021年12月29日水曜日

『マトリックス』はヤバい!



 今日は『マトリックス・レザレクション』を見て来た。ざ

っくり言えば「愛は効率主義の仮想現実を凌駕する」という

話。・・・観てない人には何のことかさっぱりだし、観た人

にも分かってもらえないかもしれないけど。


 『マトリックス』はさまざまに比喩的な解釈のできる作品

で、このブログでは主に「経済システムに人間が操られ、利

用されていることを表している」と読み解いている。(『リ

アルマトリックス』2017/3)

 けれども、今回の作品はそこからさらに踏み込んで、「現

実とは何か?」「現実は存在するのか?」というところに踏

み込んでいる。観ていてアタマがクラクラするような感覚に

なる人も結構いるんじゃないだろうか。映画の中でも「『マ

トリックス』はヤバい!」と、セルフパロディのような、あ

るいは作者自身の戸惑いのようなセリフが出てくる。

 数日前に『私の現実』などというブログを書いた私には、

そもそも二重構造になっている “現実” に、映画の物語が重な

って、“現実” が五重構造であるような感覚になった。面白い

ような気持ち悪いような・・・。


 「これは現実か?」。今回の作品の前半では、主人公のネ

オがそのことで精神を強く揺さぶられるのだが、実際に、わ

たしたちの “現実” には実体が無い(ムチャクチャな表現だな

ぁ)。


 『夢の終わりに』(2021/6)という回で書いたように、

結局のところ、わたしたちの人生は夢だと言うしかないの

で、“現実” という言葉は、考えるほどに宙に浮く。


 〈 “「これは現実か?」と考えている自分は現実か?” と考

えている自分は現実か?〉以下、永遠に続く・・・・。


 映画の中では、マトリックスの中で現実と妄想の区別が出

来ずに苦しむネオがいて、そのマトリックスをつくりだして

いるプログラムが存在して、そのプログラムを生んだ機械

(AI) が存在していて、機械と生身の人間が存在している世

界があるのだが、その世界は何者かの意識の中ではないの

か?


 そして、私やあなたの〈意識〉は、私やあなたに在るの

か?

 私は違うと感じている。


 それはクラクラするような考察だけど、その奥には、なに

やら深い安らぎを感じる。


 それを現実と呼んでいいのかどうか・・・。私に語る言葉

は無いが・・・。

 確かに『マトリックス』はヤバい。








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