2019年9月11日水曜日

終わってますけど?



 今、You Tube で Jazz を流しながら(「作業用」とかい

うやつです)、PC に向かっている。こういうことをしてい

ると、「もう文化はドン詰まりだなぁ」と改めて思う。
 

 私は特に Jazz に詳しいわけではないが、今流れている曲

は結構いいレベルの演奏で、こういうものがいつでも手軽に

聴けるというこの時代は「凄いなぁ」と思う。と同時に「終

わってるなぁ」とも思う。

 マイルス デイビスやコルトレーンが活躍した時代、サッ

チモやデュークエリントンが笑っていた時代、キース ジャ

レットが jazz の熱を程よく冷ました時代。それぞれの時代

とそれぞれの個性が新しい音楽を生んでいった。というより

は、そこにはまだ埋めるべき隙間が存在していたので、そこ

からは必然的に新しい芽が出てきたのだ。

 けれど、もう隙間は無い。

 新しいものが出る余地が無い。


 洗練度は増し、ノウハウが確立され、play としてのハ

イレベルの Jazz がそれこそ湯水のように流れ出している。

それらは、確かに良いものだ。しかし、そこに驚きを感じる

ことはとても少ない。

 あるミュージシャン、シンガーの個性や技量・センスに魅

力を感じることはあっても、そこに「新しいもの」は無いの

だ。さっきから流れている曲を聴きながら、そこに象徴され

る “文化のドン詰まり” に思いを致す。「何もかも、もう終

わりのようだけど、いったいどうするんだろうなぁ」と。


 今日、あたらしい i Phone 発売のニュースがあったのだ

が、案の定「カメラが高機能になった」というだけの事らし

い。やっぱりスマホももう終わってるね。十年で行き詰まっ

ちゃったんだ(笑)。かわいそうに。(『もうすぐ、スマホ

は飽きられるだろう』2018/7参照)


 ネタ切れの人気マンガの終了を引き延ばしてファンからヒ

ンシュクをかうように、あらゆる文化が追い込まれている。

“文化の高齢化” とでも言うべきか。成熟しきってしまっ

て、もうにっちもさっちも行かない。あと十年ほどしたら、

スポーツもエンターテイメントも一気に崩壊するか、狂気と

しか呼べない方向に進むんじゃないだろうか。それがどうい

う状況かは具体的に言えないけれど、差別や戦争に絡んで欲

しくはないなぁ(「そうなるんじゃないか」という危惧があ

るからこそ、そう思うんだけどね)。


 どんなことにも成長の限界というものがある。それが成長

し続けることができる環境というものには必ず限界があるか

らだ。そこからはみ出すと、それは成長ではなくて、変質あ

るいは変成となって、別のものになってしまう。人類の文化

・生き方は、もう根本的に変わらざるを得ないところまで来

てしまっているんだろう。それは、数千年かけて描き続けた

絵巻物が灰燼に帰すような大事件となる。それが、音楽を聴

いていて分かる。


 「あと十年ほどしたら・・・」と書いているので、あと十

年もしたら、これが私の妄想・思い込みかどうかは分かる。

 何がどうなるかは知らないけれど、面白半分に待っていよ

うと思う。

 どうなるのだろう? 

 次はどんな “お話し” なのかな?

 それとも、“すべての終わり” なんだろうか?


  それまで Jazz でも聴いてリラックスしていよう。

  では、今からチェット ベイカーの「Let's get lost」で

も聴こう。(いい選曲だ!)









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