2020年2月8日土曜日

『不安パンデミック』 コロナ ③



 中国の新型肺炎の騒動はまだまだ収まる気配がない。「一

か月もしたら “そんな騒ぎがあったなぁ” などということに

なるだろう」と思っていたのだが、そうでもなさそうだ。や

だねぇ・・。


 そもそも「新型肺炎」という言葉はなんだろう?

 「新型ウイルス」という表現は分かるが、肺炎に「新型」

も「従来型」も無いはずで、肺炎は肺炎だ。

 「肺炎」というのは、病名というよりも、むしろ身体の

「症状」というべきものだろう。肺に入り込んだ異物を排除

するために免疫細胞が盛んに活動し、サイトカイン等を多量

に放出した結果、炎症が起き、その炎症が安静が必要となる

ぐらいになると「肺炎」と呼ばれることになる。だから病原

がなんであれ、「肺炎」は「肺炎」だ。


 そもそも、肺炎に限らず、「炎症」を起こすのはウイルス

や細菌などの異物や、なんらかの生理的な刺激だと思われて

いるだろうが、「炎症」を起こすのは、実はわたしたちの免

疫細胞だ。ウイルスなどの異物はその契機となるものであっ

て、それ自体が「炎症」を起こしているのではない。


 免疫細胞は、身体に異物が侵入するとそれを攻撃するが、

そのさいにサイトカインと呼ばれる物質をだして、他の免疫

細胞を呼び寄せるとともに、サイトカインの作用でまわりの

免疫細胞を活性化させるそうだ。しかし、このサイトカイン

が多くなりすぎると、自身の細胞を障害して「炎症」をおこ

すことになり、その人の免疫活性が低いほど「炎症」の程度

は酷くなり、事態は深刻になる。

 そのメカニズムを踏まえた上で考えると、免疫細胞の活性

が元々高ければ、そんなにサイトカインを出さなくても済む

だろうから、免疫細胞が活動しても「炎症」は起きないか、

酷くならないだろう。今回の「新型コロナウイルス」も、そ

もそも免疫活性が高ければ心配のない程度のものだと私は思

う。はっきり言えば「ただの風邪」だと思うね。


 「新型コロナウイルス」が特定されてから一月が経って、

今回の “新型肺炎” の感染者は30000人を越え、死者は600

人を越えたそうだが、それはこんなに騒ぐような異常事態な

のか?

 中国という国は14億人が暮らすところなので、常識的に

考えると年間1400万人程度の人が死ぬと思われる。(特に

衛生状態が悪い国などでなければ、一年で人口の 1 %が死

ぬものです)

 武漢市に限って言っても、人口1100万人なので、年に 

11万人。ひと月では 9000人が亡くなることになる。「肺

炎」というものは、人の死因の中では多いものなので、そ

の 9000人の中には、従来から「死因は肺炎」とされる人が

かなりの数ふくまれているはずで、その数が「千」単位でも

不思議ではない。

 そう考えると、今回亡くなった 600人は、従来のように

「肺炎」で亡くなる人の中で、「新型コロナウイルス」を病

原とする人をカウントしただけではないか? 中国、あるい

は武漢市の肺炎死亡者の数を特段押し上げてはいないんじゃ

なかろうか? 詳しいことはマスコミが流さないので知り様

もないけど、単純に死者数から考えるとそう考えるのが妥当

ではないかと思う。それと私が「ただの風邪だ」と思うもう

一つの理由は、中国は大気汚染が深刻な国だということ。中

国のある NPO の調査では、「大気汚染が原因の死者は年間

100万人にのぼる」とされる。この数字の信憑性はともか

く、それほど大気汚染が深刻だということだ。

 そのような国では、呼吸器系に問題を抱える人が非常に多

くて、「肺炎」を起こしやすい状態の人が沢山いるのは当然

だろう。その国で起きた “肺炎騒動” を、地域の特性を考慮

せずに、「他の国でも同じようなことが起きるのではない

か」と騒ぎ立てるのは理性的とは言えないね。

 マスコミやネットが「600人も・・・」と騒ぐ前に、分母

などの設定条件を考えなくちゃいけないんだが、マスコミは

脅かすのが商売だし、ネットは煽るのが本分のようだからど

うにもならないか・・・。


 『不安パンデミック』という言葉は、「不安の拡散が爆発

的に起こること」という意味で先日作りましたが(『パンデ

ミックよりも怖いもの・・・。』2020/2/2)、人はすぐ

不安にかられて妄想し、妄想が実際以上に問題を拡大させ

て、不必要で不当な行動をとるものです。そして、無意味に

幸を生み出してゆく。


 さっき「炎症」のメカニズムを書いているときに気が付い

たんですが、今の状況は、〈「新型肺炎」という “異物” に

マスコミやネットなどの “免疫系” が群がり、「不安」とい

う “活性情報” をまき散らして「感情の炎症」を起こしてい

る〉という、免疫活動のアナロジーになっている。「“安心

全原理主義” に犯された、役立たず狂った免疫系が」、

ですけどね。

 嗚呼、嗚呼、アタマが悪い・・・。


 (とは言え、ウイルスの変異は早いので、本当に深刻な病

原性を持つようになる可能性はある。と、言い逃れはしてお

こう・・・。姑息だけど、安心安全の為の警戒は、その程度

が適切だとは思うよ)







0 件のコメント:

コメントを投稿