2020年2月2日日曜日

「パンデミック」より怖いもの・・・。 コロナ ①



 またまた『安心安全原理主義』が猛威をふるっている。中

国の新型肺炎のことですけどね。


 私は神戸に住んでいるので、この度の報道なんかを見てい

ると、2009年の神戸でのインフルエンザ騒動を思い出す。

 当時、神戸の高校生が新型らしいインフルエンザに罹っ

た。なぜかは知らないけど、そのことが「パンデミックが起

きて、人がバタバタ死ぬかもしれない」という話になって、

マスコミが煽りまくった結果、神戸では市民のほとんどがマ

スクをしているという異常な光景が現出した。結果的に、件

の高校生は数日で回復し、普通の季節性インフルエンザと代

わりばえしないウイルスだということで騒動は収束す

る・・・。その煽りまくったことに対して、マスコミは何の

反省も謝罪もしない。で、私には「今回もまったく同じこと

をやっている」としか思えない。


 マスコミは脅かすのが商売だから仕方がないと言えば仕方

がないけど、「マスコミは脅かすのが商売だ」という意識を

みんなが持っていた方がいいと思うんだけどねぇ。


 騒いで、煽って、大事に仕立て上げて、後で見当違いだと

分かったりしてもその時は知らん顔。もう次のネタを探して

る。

 現代では、マスコミだけじゃなく、ネット上でも深く考え

ない輩や閲覧数を稼ぎたい奴らが大事に仕立てようとする。

まあ、本気で大事だと思ってる奴らがほとんどなんだろうけ

ど。


 「パンデミック」という言葉は、“感染症の大流行” とい

う程度の意味だと思うけど、これまでのマスコミの印象操作

で、“人がバタバタ死んでゆく病気の大流行” みたいに思っ

てる人が多いんだろうな。

 今回の新型肺炎も、もう少し広がれば「パンデミック」と

いう扱いになるのだろうけど、それほど怖い病気でもなさそ

うに思うから、本来の意味での「パンデミック」ということ

でしかない。


 なぜ私が「それほど怖くない病気」だと受け止めているか

というと、感染者の発症率や、発症者の死亡率は「季節性イ

ンフルエンザ」と比べてさほど違わないか、かえって低そう

だと、現状では思うから。


 中国という国は14億の人がいる国です。その十分の一以

下の人口の日本では年間100万人以上の人が死ぬんですが

(ざっくり言えば一日に3000人程度ですね)、単純にそれ

れを中国にあてはめると、中国では年に1000万人、ひと月

で83万人が死んでいるはずです。(後で調べたら、近年、

日本の死者は年間130万人ぐらいだそうだ)

 この肺炎が発生してからひと月になって、死亡者が300人

を越えたみたいだけど、830000の内の300ですよ・・・。
 

 しかも亡くなった方は糖尿病などの基礎疾患のある人や高

齢者など、「感染症弱者」と呼べるような人たちみたいだし

(マスコミがそのあたりの情報を流さない)、中国の都市部

は大気汚染が深刻で、呼吸器系に問題を抱えている人も多い

だろう。

 「健康な三十代の男性が、この肺炎に罹って一週間ぐらい

で次々と死んでいる・・・」なんて話なら、私も恐ろしい。

けれど、現状そんなことではなさそうだ。


 このひと月の間に、この新型肺炎の陰で、普通の風邪や季

節性インフルエンザから肺炎になって死んでいる人が、中国

では何百人もいるはずだ。もちろんそんな情報は流れないの

で確証はないけれど、それが “普通” だから。

 今回の「新型肺炎」は「新型のコロナウイルス」だという

ことだけで、普通の風邪の範疇じゃない?既知のコロナウイ

ルスって、普通の風邪の原因病原体でもあるそうだし。


 今回の騒動を見ていて改めて思う。感染症の「パンデミッ

ク」より不安感の「パンデミック」の方がずっと恐ろしい。

『不安パンデミック』だね。


 人類史を振り返ると、人は『不安パンデミック』から数多

くの惨事を引き起こしてきた。「魔女狩り」に象徴されるよ

うなね。

 民族差別、人種差別、宗教差別などから起きる迫害・虐

殺。あるところで生じた不安からデマが拡大して恐慌になっ

たり・・・。人は不安になりがちだし、不安になると理性を

無くす(もともと大した理性でもないが)。ネオナチとか白

人至上主義とか環境原理主義者とか、その他いろいろ・・。

 世界大戦も、その根底には『不安パンデミック』がありそ

うだから、歴史上、感染症で亡くなった人より、『不安パン

デミック』で亡くなった人の方が多いくらいかもしれない

ね。


 「マスコミは脅かすのが商売」で、「終わった事には知ら

ん顔」だということ。

 「人は不安になるのが得意で、不安になると理性を失う」

ということ。

 「人は誰でもいずれ死ぬ。そしてそれが当たり前」だとい

うこと。

 そういう意識をわたしたちは常に持っている方がいいと思

うんだけどねぇ。


 こんな言葉が浮かんだ。


 《「思い込み」の無いところには “騒動” は無い 》



 今回の「安心安全原理主義」の狂騒は、もう少し続きそう

だ。マスコミやネット民の「アタマの悪さ」を楽しむぐらい

しかすることはなさそうだね。まぁ、あとひと月もすれば、

「そんな騒ぎもあったなぁ」と言っているのが関の山だろう

けど・・・。


 最後に井上陽水の『長い坂の絵のフレーム』という曲か

ら、一つのフレーズを取り上げて終わりにしよう。


 〈 生まれつきボクたちは 悩み上手にできている・・〉


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 (追記)

 書き終わったあと、ネットでニュースを見てたら、「北

米・欧州で、新型コロナウイルスの感染拡大に絡み、アジア

人への差別的偏見が広まっている・・・」などとあった。

 嗚呼、アタマが悪い・・・・。



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