2023年1月25日水曜日

不要不急の人生



 今日は天気予報通りの雪。電車も動かず、職場に電話をす

ると「今日は休んでくれ」ということで、「じゃぁブログで

も書こうか」とパソコンを開いてはみたものの、さて・・。


 家の前の道路はカーブした坂道で、なおかつ建物の北西で

陽が当たらないために、昨夜からガチガチに凍り付いてい

て、車が沢山立ち往生している。午後に陽が当たり始めるま

で、立ち往生は続くだろうな。こんな日にノーマルタイヤで

車を乗る気が知れない。

 毎年、大雪が降ると、北陸などで車の立ち往生のニュース

があるけど、そういう可能性のある所へ出かけなければなら

ないのなら、私だったら冬用の寝袋を積んで行く。化繊の中

綿のものなら2万円出せば雪山登山に使えるものが買える。

エンジンを切ってヒーター無しでも、寝袋の中でぬくぬくし

ていられる。ガソリン代やガソリン切れ、命の危険のことな

どを考えると高い買い物ではないだろうに、ほとんどのドラ

イバーはそういうことを考えないみたい。不思議だ。


 「人はみんな死ぬんだから、もっと素直に死を受けいれる

べきなんだ」みたいなことをしょっちゅう書いているから、

このブログで「命を守る」みたいなことを書くのは場違いな

ようにも見える(・・・なんなんだこのブログは・・)。け

れど、そこには私なりに理由がある。

 「人はみんな死ぬんだから、もっと素直に死をうけいれる

べきなんだ」と考えているのは本当だけど、人の愚かさのせ

いで死ぬのはバカバカしいとしか思わない。そういうのはア

タマが悪い。


 昔から、街を走り回る車を見て「用事も無いの何してるん

だ」と、ちょくちょくつぶやくのだけど、その時に内の奥さ

んと一緒だったりすると、「用事があるのよ」と言われる。

けれど、一昨年の春に、私の考えの正しさが証明されてしま

った。

 コロナ禍で「不要不急の外出は控えてください」という政

府からのお願いが出たとき、車の数が激減した。半分以下に

なったんじゃないかと思う。その状況を見て「それ見ろ。用

事なんか無かったじゃないか!」と私は笑っていた。


 大雪の予報の中、車で出かける。ホントにそんな必要があ

るのか?

 たとえそれが仕事だとしても、いまのこの国の仕事の中

で、重要緊急で絶対必要なものがどれだけあるか? 食べ物や

燃料なんかの配送は最低限必要だろうけれど、アマゾンで

文された娯楽の為の商品を運んだり、九州の焼酎を東京の酒

屋に運んだりするのに急ぐ必要はない。不要不急でしょう。

ましてや、人に会いに行くとか遊びに行くなんて、またの機

会にすればいい。「大雪で立ち往生というのを経験してみた

い」というのなら、それはそれでいいかもしれないけれど。


 大雪だとか台風だとかでなくても、車で出かけることに限

らなくても、いまの日本でわたしたちがやっていることのほ

とんどは不要不急です。それを重要緊急であるかのように思

い込まされ、自分でも思い込み、エネルギーをいっぱい使っ

て右往左往して、何か大したこととか良いこととかしたつも

りになっている。

 現代に暮らしていれば、それはしかたがないことではある

けれど、せめて「本当は不要不急なんだけど・・」と知って

いるぐらいのたしなみが欲しい。そういうたしなみが無いか

ら、車で立ち往生して何時間も嫌な思いをしたり、ヘタをす

れば命を落とす。そんなの、アタマが悪いんですよ。


 世は、おしなべて不要不急。そもそも、人生というものが

不要不急で、それを分かっていないことを「アタマが悪い」

と言ってもいいでしょう。


 「人生は不要不急」なんて言われると、なんだか虚しいか

もしれない。いやいや、人生が不要不急なら、そんな気楽な

ことはないんじゃないですか?

 「まっ、詰まるところ不要不急だから」と、温かい寝袋に

入ってぬくぬくしてるような人生がしあわせだと思います

よ。


 と言いながら、私はあとで晩御飯の食材を買いに行かなけ

ればいけない。寒いのに・・・。




0 件のコメント:

コメントを投稿