2024年2月19日月曜日

完璧主義者に物申す



 世の中には結構「完璧主義」の人がいますよね。「主義」

というよりは、そういう性分だという方が当たってるでしょ

うけどね。

 仕事でもなんでも、きちんとしなければ気が済まない。他

人に対してもそれを求める傾向が強い。

  私も、昔は少しそういう傾向があったけど、この頃はかな

りテキトーになりました。目出度いことです。


 なぜ目出度いかといえば、「完璧主義者」はエゴイストだ

からです。自己中でわがままではた迷惑。困った存在です。

当人がそれを認識していればまだしも、「自分はするべきこ

とをちゃんとやっている。模範的な人間だ」というようなセ

ルフイメージを持っていたりします。イヤな奴ですね。


 仕事なり何なり、物事を完璧にこなすことは良いことです

が、そこに性分や主義を介入させてはいけない。そんなとこ

ろに「性分」だとか「主義」だとか個人の都合を持ち込むも

のではありません。単に物事からの求めに応じて、それに

応えてゆくだけのことなので、没個性な態度が望ましいので

す。

 もちろん誰にでも、それぞれの能力・適正がありますか

ら、それが表れてくるのはそれでいいのですが、「性分」や

「主義」からは、その人の価値判断が出てきます。評価が伴

います。そんなもの邪魔なのです。お呼びでないのです。目

障り、耳障りです。


 「完璧主義者」は、自分がワガママで自己中でエゴイスト

でとても疎ましくはた迷惑な存在だということを肝に銘じる

べきです。役に立つ人でも良い人でもありません。ハッキリ

言ってイヤな人間です。骨の髄まで自覚すべきです!


 と、なぜこんなに私が「完璧主義者」をこき下ろしている

かというと、「完璧主義者」を〈「完璧」という地獄〉から

救ってあげたいからです。

 「完璧主義者」の中には、自分でも薄々気が付いている人

がそこそこいるでしょうけど、「完璧主義者」が居る所は地

獄です。「完璧主義者」は、いつも社会と自分に監視され、

評価され、脅迫されているからです。


 人間がすることに「完璧」などありえません。

 無いものを求め続けるほど虚しいことはありませんよね。

けれど、「完璧主義者」はそれをしている。病気ですよ。

 そのように無いものを求め続けていると、結果が出ないの

ですぐにイヤになりそうなものですが、「完璧主義者」はそ

うはなりません。なぜなら自分の都合の良いところで「ヨ

シ!これでイイ!」と「完璧」を自分で設定します。そうで

なければ何ひとつ終わらせることができないからです。

 そのように「完璧主義者」は自分に嘘をつき続けなければ

なりませんから、意識しているにしろ、していないにしろ、

自分をごまかしているという自己嫌悪の中で生きなければな

りません。その不快感ゆえに、他人の不完全さを指摘するこ

とで「自分だけが不完全なわけではない」と無意識に自分を

正当化しなければいられないのです。「完璧主義」は自他と

もに傷つけるたちの悪い病なのです。


 「完璧主義者」に物申す。

 あなたは出来損ないです。その上に病気なんです。

 人間はみんな出来損ないなのです。

 そして「完璧主義者」ほどではないにしろ、誰もが「自分

や他の誰もが出来損ないである」ことを認められないという

病気なのです。


 完璧は、天のつかさどるところ

 完璧を求めるのは、人のつかさどるところ


 そういう言葉がありますが、私はそこにもう一言付け加え

たい。


 完璧をあきらめるのは、仏のつかさどるところ


 自分と他の人たちの安らぎの為に、「完璧」をあきらめま

しょう。それを「成仏」と言います。「完璧」をあきらめれ

ば救われるのです。


 人は、天によって「出来損ない」として作られています。

 それは、出来損ないのままで「完璧」だということですか

ら、それ以上に「完璧」を求めると「完璧」から外れてしま

うのです。つまり、迷うのです。


 アタマが考える「完璧」なんて、迷いでしかないのです。




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