2020年4月28日火曜日

キャッチボール



 今朝、目が覚めてしばらく布団の中でぼ~っとしていた

ら、なぜか BUNP OB CHICKENの『キャッチボール』の

歌詞が浮かんで来た。


 『キャッチボール』は恋人らしい男女がキャッチボールを

する情景を歌った曲だが、その中にこんなフレーズがある。


 上手くなって距離を置く 心は近付いてく・・・


 Fuji くんは天才だね。


 キャッチボールが上手くなるということは、お互いの力量

を分かり合って、それに応じて分かり合うレベルを上げなが

ら、キャッチボールそのものの技量も上がってゆくというこ

と。そして、お互いを分かり合うことで「距離を置く」こと

が可能になる・・・。


 いい歌詞だなぁ。


 昔から、人目もはばからずベタベタとくっ付いてる男女を

見ると、「ナメクジの絡み合いみたいだなぁ。ああ、キモチ

悪い・・・」と思い、「こいつらすぐ別れるな」と思った。

お互いの間に距離を感じるからこそ、あんなに引っ付いてい

なければならないんだろうから。


 人の言動というものは、その表面的な印象や、当人の思う

理由・動機とは裏腹に、結構な確率で、逆のことを表現して

いる。「キライだから一緒に居る」というような・・・。


 「キライだから一緒に居る」?

 と思ったあなた。そういうこともあるのですよ。


 今回のコロナウイルスの騒動や、東日本大震災での原発事

故のような恐い事が起きると、どうしてもそのニュースを見

てしまうでしょ? 人というのは、嫌な事があると、それに

注意してしまうものです。恐ろしいものを無視すると、それ

に害を与えられそうに思うので無視できないのです。そし

て、それがあまりにも嫌過ぎて恐過ぎると、どんなに距離を

とってもその嫌悪感に耐えられなくなって、自分自身をだま

します。逆に、思いっきり近付くのです。


 「何で?」と思うでしょう? 近付けば近づくほど全体像

は見えなくなるから、思いっきり近付くと、ほとんど何もみ

えなくなって、逆に嫌悪感や恐怖は感じなくなるのです。表

面的にですがね。


 ということで、嫌い合っている男女は、人目もはばからす

ベタベタと引っ付くことになるのです。少しでも距離を置く

と、お互いの醜さが目に入ってしまうので・・・。


 男女関係に限らず、人というものはメンドクサイやり方で

自分の本心を表明しているものです。けっこうな割合で。



 「だいじょうぶ・・・」と言ってる子供がとてもひどい目

に遭っていたり、毎日のように「死にたい・・・」と言って

いる人が結構しぶとかったりする。

 そういう人の本心を知るためにはどうすればいいのか?


 たたみかけることでしょうね。

 「大丈夫? 大丈夫? ホントに大丈夫?」とたたみかける

と、見せかけの苦しみに酔っている人は、鬱陶しくなって不

機嫌になることでしょう。そして、口では「だいじょう

ぶ・・」と言いながら本当はとても苦しんでいる人は、泣き

出してしまうことでしょう。言葉とは裏腹に、人の感情とい

うものは正直なものです。

 取り繕った言葉なんて、一点集中の圧力で簡単に破れてし

まう・・・。


 こちらからどんなに言葉を投げても、相手が壁を築いてい

ては「壁当て」(ひとりで壁にボールを投げてそれを取ると

いう繰り返しのことです)でしかない。その壁を壊すことが

できたら、そこから心のキャッチボールが始まる。(このブ

ログなんて、完全に「壁当て」みたいなもんだなぁ)


 そういえば、このごろ街中でキャッチボールしているのな

んか見ないなぁ。昔はよく見かけたけどね。

 キャッチボールって、イイものだけどなぁ。ボールと一緒

に何かが通うんだよね。


 上手くなって距離を置く 心は近付いてく・・・


 カーブの様なグチ

 消える魔球の様な優しさ

      『キャッチボール』 BUNP OB CHICKEN





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