2017年10月6日金曜日

ボブの絵画教室が好きだった


 「ボブの絵画教室」というテレビ番組をご存知ですか?

 もう二十数年前に、NHK BSで放送されてた、アメリカの

番組です。

 ボブ・ロスという画家が、三十分の放送時間の中で、油絵

の美しい風景画を一から描き上げるという番組で、その絵の

クオリティの高さと手際の良さ、話の面白さから結構な人気

があった様です。


 初めて観た時、ボブさんの筆先から、魔法の様に山や木や

川や雲が生まれて来るのに、ビックリしてしまいました。そ

んな絵の描き方があるなんて、考えてみたことも無かったか

らです。

 残念ながら、ボブさんは52歳で亡くなり、番組も終了。

 でも、今でもいくつかの作品と話は覚えています。


 ボブさんがよく、こう言っていました。

 「好きなように描いて良いんですよ。あなたの絵なんです

からね。わたしは、やり方をお教えしているだけです。気楽

に、楽しんで描いて下さい。あなたの世界なんです」

 単に、絵のことだけを言っているのではないだろうと思い

ます。

 それと、とても印象に残っている言葉があります。

 「失敗なんかありません! すべては、楽しいハプニン

グ!」

 実際に、失敗した絵を潰して、それを元に新たな絵を描き

上げるという回もありました。


 ミスや想定外の出来事を、「トラブル」と呼ぶか「ハプニ

ング」と呼ぶかで、対応の自由度は大きく変わると思いま

す。想定外の出来事だからこそ、上手に対応すれば想定外の

結果を得られる場合もあります(ペニシリンの発見だと

か)。想定通りに進めば、想定通りの結果しか出ませんもの

ね。もちろん、想定通りに進まなければ困ることの方が多い

わけですが。


 考えてみれば、わたしたちが想定出来ることは、ほんの僅

かな事でしかありませんし、それはあくまで「想定」であっ

て、「確定」ではありません。

 わたしたち現代人は、「想定」を「確定」と思い違いして

いる節がある。次の瞬間、何が起こるか分からないのに。


 車で街の中を走っていると、旅客機の部品が落ちて来て車

にぶち当たるといった事が起ります。

 そんな極端な話でなくとも、売り出し商品を目当てにスー

パーに出かけたら、早くに売り切れていてブツクサ言う羽目

になるなんていうのは、日常茶飯事ですね。


 このブログも、書き進めてゆくと、書こうとしたことが何

処かへ行ってしまう事がよくあります。「これ、どうなっち

ゃうんだろう・・」と思いつつ続けていると、書いてる本人

が「なるほどな・・」と、感心してしまう文章が生まれて来

ることがあります。自分の書いた文章に、自分が教えられて

しまうのです。まさに「楽しいハプニング!」。(この事か

らも、“自分が考えてから動いているのでは無い” というこ

とが分かります。ある “考え” を生み出す為に、考えさせら

れている様です)


 とはいえ、「ハプニング」ばかりでは困ってしまいます。

 何も想定通りに行かなくなってしまいます。
 

 「何も想定しなけりゃいい」というのも、 “有り” かも

知れません。想定しなければ、「ハプニング」も「トラブ

ル」も起きようがありません。が、そんな事は無理ですね。

 想定無しに生きたら、そう長く命は続かないでしょう。

 その日の内に、車にはねられそうです。
 

 やはり、想定無しには生きられません。

 ですが、「想定」や「予定」にこだわり過ぎて、「こうで

なければいけない」とか「○○であるべきだ」とか、たいへ

ん窮屈になっているのが、今の日本の社会だと思います。

 コントロール願望が強すぎて、いろいろな軋轢を起こして

います。思い通りにしたがり過ぎです。


 《 思い通りになっても、思い通りになるだけです 》


 ボブさんの言うように、「すべては楽しいハプニング!」

という気構えで居れば、人生は思いがけず楽しい事にあふれ

ているのかも知れませんね。

 私が「ボブの絵画教室」で教わった、一番役立つ “やり

方” は、「すべては楽しいハプニング!」という面白がり方

だった様です。





 

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