2020年12月15日火曜日

命がけで生きるな



  今朝、顔を洗っている時に、ふと思ったのが、「自分は命

がけで生きてるなぁ・・・。バカだなぁ」ということ。なぜ

だか知らないが、突然そう思ったのです。

 「命がけで生きてる」という感覚は、分かってもらいにく

いと思うので、説明を・・。


 「命がけで生きてる」というと、「毎月150時間残業し

てる」とか「レスキューや消防のような危険な仕事をして

る」というイメージを持たれるかもしれないけど、そういう

ことでもないし、私にそんなことができるはずもない。平凡

な生活をして、平凡な仕事をしている。私の「命がけ」とい

うのは、そういうことではない。


 生きてるんだから、命が掛かっているのは当たり前だけ

ど、人間というものは、メシさえ食ってればさしあたり生き

てるものです。ですから生きてるということは、まぁ特別な

事でもない。なので「命がけで生きてる」というのは、平凡

に生きていることを表現するにはそぐわない。私が言おうと

しているのは、放っておいたら生きているのに、ことさら生

きることに必死に取り組んでいるような状態の事なんです。

生きることを大袈裟に、深刻に扱い過ぎてるということ。へ

んに、力んで生きてしまっているんです。


 私は生真面目な性格で、昔から「真面目だねぇ」と、褒め

られているのか笑われているのか分からない言葉をよく頂戴

してきた。気楽にやればいい場面で、へんに力が入ってしま

って、周りから「おいおい?」という目で見られたりするこ

とがしばしばあった。そういう傾向が、「生きること」全般

にあるのは、なんとはなく自覚していた。それが、今朝、

「命がけで生きているなぁ」という表現で、自分の意識の表

面に上がってきたのです。そして、その自分の在り方を「バ

カだなぁ」とハッキリ自覚したわけです。


 何が「バカだなぁ」かというと、放っておいたらそれなり

に生きているのに、変に、真剣に深刻に力を入れるものだか

ら、かえってギクシャクして、生きることが大事になってし

まっている。よけいな事をして自分で疲れてるんです。だか

ら、「バカだなぁ」というわけです。


 生真面目な人は私にしろ他の人にしろ性分だからしようが

ないのだけど、こういうことが度を越すと危ない。「命がけ

で生きてる」わけですから、「生きてること」が上手く行か

なくなった時に「命」をかけてしまう。過労死とか自殺とか

が起きるのはそういうことでしょう。「生きる」ということ

を高く値踏みし過ぎてるというか、大そうに捉えてしまって

いて、「ちゃんと生きられないと、大変だ」なんて感じてし

まってるんですね。まぁ、子供の頃にそう刷り込まれた可能

が高いけど。
 

 世の中がいろんなお話しを聞かせて、「生きること」をも

ったい付けて、大袈裟に思わせて、“「生きること」に価値を

持たせなければならないんだ” みたいに刷り込む。生真面目

な人間はそれをかなり深く受け取っちゃって難儀するという

ことになっちゃう。ホント、難儀してるんですよ。


 「生真面目」を辞書で引くと、〈 真面目過ぎて融通が利か

ないこと 〉などとある。そういう社会的な意味では、私は生

真面目とは言えない。「車が来ないのに歩行者が赤信号で待

っている必要はない」という考えだし、「新型コロナは、さ

っさと指定感染症からはずせ」なんてことも思ってる。現代

の日本人の中では融通を利かせ過ぎなぐらいだと思う。では

どういうことで生真面目なのかというと、「新型コロナは、

さっさと指定感染症からはずせ」なんてことをわざわざ表明

するあたりが、生真面目なわけです。そんな危ない話は思っ

てても言わない方がいいのに、言ってしまう(もちろん場所

と相手を選んではいますが)。さらに言えばそんなこと思わ

ない方が楽です。思っちゃうと世の中と対立しちゃうんだか

ら。


 「生真面目」という言葉は、字に表れているように、「生

きることに真ともに面する(向き合う)」ということで、

「真とも」というところが「命がけ」という雰囲気を醸し出

しているのですね。


 生きることは無意味なのに、真ともに向き合っちゃダメで

すよね。

 「どうせ無意味なんだから、気楽に、のんびり、ぼちぼち

やろう」というのが望ましと思います。思っていて、つねづ

ね「そうありたい」とは思ってはいるけれど、自分の性分と

いうのは強固なもので、すぐに力が入ったり、せかせかと動

いたりしてしまう。バカですね。

 こんなブログを書いているのは、そういう自分に対する戒

めでもあるようです。


 まさかあなたも「命がけで生きている」のではないでしょ

うね?

 もしそうなら、苦しむだけなのでそこそこにしておいた方

が身の為です。実際苦しいでしょ?


 「命がけで生きる」のではなく、「命にまかせて生きる」

というのが望ましい生き方なのだと思います。

 と、思いますが、思ったようにならないのがなんとも困っ

ところで・・・。

 “思ったようにならない” ことも込みで「命にまかせる」と

いう詭弁が、有効かもしれません。





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